戦後、武道は急速に国際化し、昭和三十九年(一九六四)の東京オリンピックには正式種目として「柔道」が加えられた。欧米の産業人や青年層には、今や武道を通して日本人の心を知ろうとしている人たちが急速に増加しているという。本多流始祖射技解説/非売品/弟子の立場から接近を試み本多流の最も重きを置く矢飛びに焦点を絞って射を論じているのは当を得たものと思う。戦後数十年で目ざましい経済成長を遂げた原動力を武道の心に求めようとしているのである。もし「武道の心」が新渡戸稲造の言う「日本のこころ」(soul of Japan)に含まれるならば、欧米人の発想は必ずしも短絡に過ぎるとは言えないかも知れない。小笠原流弓術伝書その一・弓道資料集/限定復刻版/神巧発射令射術要決・射法全書/礼は小笠原・射は日置・法は真言という言葉が人口に膾炙。